大名古屋日記3

4月6日
今週は撮休が2日あったので、一旦東京に帰って再び名古屋入り。
今日はその前に新宿コマ劇場8月公演のポスター撮りがあった。コロッケ主演の「西遊記」もちろん孫悟空はコロッケ。私はなんと猪八戒(そんなに太って見えたということか?)(^^ゞで出演らしい。。森公美子さんがサゴジョウだというのだから、なんか意図があるのだと思う。このことは後ほど詳しくご報告します。
夕方東京を出発して9時前に名古屋に着く。そのまま今池のちゃんこ料理「玉かぶと」へ。この店は以前紹介した私の親戚の店である。この夜はここで「コンビにまりあ」の親睦会。出演者は大林さん、宮川くん、中上くん、伊藤政氏くん、坂本さん、坂西さんらが揃い、スタッフ側は演出の大羽さん、ADの黒川くん、デスクの広瀬女史らが既に集まっていた。私が遅れて着いた頃にちょうど鍋が煮立って食べごろとなっていた。早速私も乾杯で、皆でちゃんこに攻撃開始。一応皆さんに美味しいと評価を受ける。特にスープと肉ミンチの評判がやはり良い。中上くんが胡麻を半分だけ擦って食べていたのはさすがだった。大抵の人は目いっぱい擦っちゃうのであるが、それよりも半分で止めておく方が風味が良いのである。
この日は餅巾着の評判も良かったようである。
その後、演出の堀場さん、二村さんも合流。大勢でドラマの話やら、サッカーくじtotoの話や、伊藤政氏くんのジャニーズ事務所の話や、まりあちゃんに悪い男がくっついたらまずいなんて話や、気の早いことにもう「コンビにまりあ2」の話やら、何やらかやらで盛り上がる。そこへ閉店間際にコンビニのスーパーバイザー役のデビッド伊東くん登場。更に盛り上がって鍋追加。時間も延長。
こうなると勢いはなかなか止まらないものである。何人かは明日の撮影に備えて帰ったが私も含めたおっさん達は演出の大羽さんの仕切りで錦の歓楽街にに移動。マスターのギター伴奏で何でも歌えるという店だった。ほとんどの全員が一回は歌わせられたと思うが、こういう状況ではお互いにまともに聞いていられる訳はない。当然もうぐちゃぐちゃしている。いつのまにやら坂西さんが妙齢のお姉ちゃん達をどこからか呼んできた。その前から錦のクラブのママも来ていた。更にぐちゃぐちゃしてきた。意外にも宮川くんがお姉ちゃん達を仕切っている。大林さんが加山雄三をたっぷり歌ってから真面目な話をし始めた。ADの黒川くんがお姉ちゃんに偉そうにしているのをデビッドくんに注意されている。ママは名刺を皆に配っている。マスターは何度でも歌わせようとする。私は明日のことも気にしながら濃い水割を飲んで”意外にお姉ちゃん達が「コンビにまりあ」に本当に詳しいなあ”なんて思っている。
kurokawa
左の写真はこの日記にたびたび登場するADの黒川くん。スタジオの我々の演技を逐一チェックして可否を決定している恐ろしいADだ。これでいつか立派なディレクタ−になっていなかったら、全くの期待はずれである。
今回の撮影では、実のある飲み会が多かったため岐阜の自宅に帰れずにカプセルホテルにしょっちゅう泊まっていたようである。

さすがに深い時間に誰からともなく「出ようか」と声がかかり店を退出。私はホテルに帰ったが、明日の時間を気にしなくていい人は次の店に行ったようである。私も本当は行きたかったんだけどね・・・(ーー;)

4月7日
今日は朝からニュー猫柳店内のセット押し撮影。一番遅くまで飲んでいたらしいデビッドくんが一番早くから、しかも元気に仕事をしている。ADの黒川くんのテンションが落ちそうになると注意しているのも凄い。もちろん水沢さんは相変わらず元気である。
10時ぐらいから私も撮影に合流。最終回近くになってデビッドくんとは初めての絡み、素直に演技すべきところは素直にやってくるので成る程と思う。カット尻でアドリブがいけそうなのでお互いに喋り続けていたら、とっくにカメラは止まっていた。恥ずかしい。
坂本さんも合流してきて、またぐっと盛り上がる。水沢さんが坂本さんのセックスアピールに失神してしてしまうシーンの、その水沢さんの顔が死ぬほど可笑しかった。あれはもう女優の顔ではない。例えば”薬でとろけた後の超馬鹿な顔”といったら分かってもらえるだろうか。とにかく21話の水沢さんの失神顔は要チェックである。
次のシーンの消えもの(お芝居の最中に出てくる食べ物、飲み物など本当に使ってしまう小道具、出道具のこと)で出てきたカレーを坂本さんと2人で本気で食べてしまう。楽屋に戻ったら焼肉弁当が用意されていたのでこれもほとんど食べてしまう。我ながらだらしない食欲だ。
昼食後も坂本さんは乗りまくっていた。写っていない場面でも私を喜ばせるためだけに芝居を続けている。もう私も楽しくって仕様がない状態だった。馬鹿馬鹿しいことを真剣にやる場面も多かったので、総合的にはかなり良い絵になったのではないかと思うんだけど。なんといっても坂本さんの歌唱力の歌を、いくら他の出演者達との絡みの場面だとはいえ、ワンコーラスまるごとTVでOAしようとしてしまう演出の大場さんの勇気には脱帽する。実はその歌は大場さんの作曲なんだけど、それにしたって横暴だ。
坂本さんと2人で大喜びしながら撮影を終える。
2人で名古屋駅に向かうが、”ちょっと一杯”ってことになり、錦の「えびすや」で蕎麦を食いながら日本酒をやる。冷の日本酒に蕎麦、これは通だよ。まだ外が明るいうちから飲むってのもいいんだよね。ちょっとした贅沢感と罪悪感と開放感と遊び心と、なんか妙に心をくすぐるものがある。いい心持になったところで、長居をせずに新幹線に乗る。当然のように爆睡。楽しく、盛りだくさんな一泊二日を終えた。





4月10日
名古屋入りの前に、お昼頃から昨年12月の芝居「淋しい都に雪が降る」の私家版舞台ビデオの編集。世田谷パブリックシアターのあるキャロットタワーの中には区民のための簡易ビデオ編集室があり、破格に安く使える。世田谷区民である杉本ぽんちゃん(ラサール石井の弟子。私ともコントをやったことがある。詳しくは舞台歴を参照)に頼んで手伝ってもらった。ぽんちゃんは九州芸術工科大学を出てるのでこういう作業は得意だ。いつも本当に助かる。私が簡単な芝居のチラシなんかを作れるようになったのも、元はぽんちゃんのお陰である。プロの手を借りずに編集したビデオとしては立派なものが出来たとお思う。
東京発18時21分のひかりで名古屋へ。20時12分名古屋着。
ホテルの部屋で中日対巨人戦を見る。その後のスポーツニュースでも”まるで優勝決定戦”と言われていたような、お互いの主力投手を注ぎ込んだ名勝負だった。結果は延長12回、1対1で引き分け。今季初の再試合なしの引き分け戦。
その後「コンビにまりあ」の台本をたっぷり2週分全部読み返す。忘れかけていた物語の流れが蘇ってきた。帯ドラマは時々こういうことをしないと話の深部が見えてこなくなる。
入浴後、再びTVをつける。スポーツニュースを見て、やしきたかじんの番組を見ていたら我らが芝居「星屑の町」でハローナイツのボーカル役(これも舞台歴を参照)の太平サブローくんが出ていた。なんだか札幌のすすき野で街中をかくれんぼする内容だった。内容が判った頃には酎ハイのロング缶2本が効いてきて睡眠。


4月11日
午前9時起床。ホテルで坂本さんや坂西さんと朝食を食べていたら、CBCフロントの新人の女の子から「20分まきですから、早めに来て下さい」と電話が入った。9時開始の撮影で、1時間もしないうちに”20分まき”とはどういうことなんだ。
10時局入り。すぐに着替えてメイク。今日は久しぶりに銭湯「子宝湯」の場面である。ここでも坂本さんとの一緒の会話が多いので、スムーズに出来た。
昼食後コンビニ店内の場面。まずは28話のシーン#32と#33。私と坂本さんが店内でいきなり「ナイスな関係」の替え歌を歌いだし、二人でキュウリとニンジンの形態模写をするという大人がやる行為とは思えないくだらない場面を作る。このドラマでは遊べる時には思いっきり遊ぶ方針なので大いに楽しんだ。
撮影終了後スポーツセンターへ。くだらないことをやった後には真面目にやるのもいいもんだ。なんだか子供の頃に習った「よく遊び、よく学べ」の標語みたいな行動だなあ。
sport.se
これがその名古屋市スポーツセンターの看板。”運動やろまいか”というキャッチコピーのダサさがなんともいえない。でも設備や従業員の優しさは決して悪くはないと思う。
CBC裏から歩いて15分くらいのところにある。
サウナもありますよ。


汗で体重が落ちてから(脂肪はそう簡単に落ちないよねえ)、ホテルの坂西さんの部屋でナイター観戦。ここで飲んだ一本目の缶ビールは効いた。運動した後のビールは効くもんだと実感した。
中日の負けが決定しかけた頃に、ADの黒川くんから電話が入り飲み会が決定。今日は「接見」の時に知り合った若手歌舞伎俳優の中村獅童さんとも飲む約束をしていたので(彼は今月は名古屋の御園座で歌舞伎公演中)、みんなで「ひいき屋」合流することにする。私、獅童さん、黒川くん、大羽さん、そしてまりあちゃんのマネージャーの今井さんで飲み始める。この日はどんどん勢いがつき⇒「パーティハウス」⇒先週知り合った美人ママの店と怒涛のように流れる。特に「パーティハウス」に行ってからの獅童さんのワイルドな女形ぶりが絶好調となる。さすが本物!とにかく愛すべき声のでかさと態度のでかさである。彼とは、飲んだら同じようにワイルドになる有薗と是非一度一緒に飲ませてみたい。

4月12日
当然のように昼まで寝た。CBCのフロントから「とにかくまいてます。撮り順もどんどん変わってますので、いつでもスタジオに来られるように待機してください」と連絡が入り、やっと起きる。言ってることがかなりメチャクチャだ。どんな撮影スケジュールの組み方をしているのだろう。まあ、まいてるってことは仕事も早く終わるわけだからいいとするか。
きしめん屋「よしだ」で、すき焼き丼+きしめんセットを食べる。それから喫茶店で読書したり、ああだこうだしたりして、夕方5時にCBC入り。予定より3時間も早い
省吾さんのポルノ文学賞受賞を知って、コンビニに走り込んで来る場面を撮る。水沢アキさんと猛烈な速さで走る。水沢さんは本番スタートの5秒前の秒読み段階から息を切らせる演技をし始めた。”やる気だな”と思ってワクワクしてくる。そしたら私は勢いがつき過ぎて、肩に掛けた無線用のマイクがずり落ちてしまった。NGを出したくなかったので、必死で掛け直しながら芝居を続けた。意外にそれが効果的だったら嬉しいのだが?
撮影は案の定かなり早く終了。待ってましたかのようにその後は主演のまりあちゃんを含め出演者とスタッフ合わせて総勢12名の親睦食事・飲み会。場所はCBC近所の居酒屋「むさし」。焼き鳥が美味しい店だった。アスパラガスのエビフライ風味も美味かった。この頃はスタッフと出演者もすっかり仲良しになったので大いに盛り上がる。気が早いことに、このドラマのパート2の話なんかも飛び出てきた。
またかとお思いだろうが、何人かで2軒目に行く。昨夜も行ったママの店。店に着いた途端にデビッド伊東くんがカウンターの中に入って洗い物の手伝いをしだした。それも自分は働き者で無口なマスターの設定で芝居をしている。楽しくなってガンガン突っ込みを入れると、面白いようにボケてくる。中上くんも口惜しくなったのか絡んでくる。黒川くんは文字通りママに絡んでいる。先週のギター伴奏の店のマスターも合流してきて、私には訳が分からなくなってきた。
3軒目に行ったのだが、酔っぱらった私は話しについていけず、先に帰ってベッドに倒れこむ。


4月13日
13日の金曜日だ。しかも泊まっている部屋は13階だ。それが理由ではないが変に早く目が覚める。二日酔いざましに朝食に行ったら水沢さんと会い昨夜の話をしてあげたら盛り上がってしまい、そのまま「スターバックス」で1時間くらい話し込む。
午後CBC入り。まだ酔いが残っているような状態で、酔っぱらった場面を撮影。地と演技の区別のない完璧な出来であった。
コンビニ強盗の役で名古屋の小劇場界では有名な伊沢勉さんが登場、短いが難しい場面で良い味を出してくれた。私は初対面だったのだが、同じく名古屋の演劇人で次の星屑の会の芝居「クレージーホスト」に出演してもらう佃典彦くんの事やらで話のきっかけが出来たので、お互いその場面の演技アイディアがスムーズに出し合えた。私は小味の利いた場面になったと思うのだが。
撮影を終えて帰京。しかし上りの”のぞみ”は意外に混んでるんだね。隣の人の動作が気になって駅弁が食い辛かったなあ。





4月17日
東京で雑事に終われた後に、夜9時ぐらいに名古屋の栄に到着。
坂本朗さんに連絡して今回のドラマを振り返ってしみじみ飲もうかと思っていたら、地下鉄の地上出口を出た瞬間に中日劇場の制作の舘野氏にばったり会ってしまう。「サザエさん」「名古屋嫁入り物語」の舞台で大変お世話になった良い方なのだが、今夜は馬鹿にはしゃいでいる。心積もりが狂っていきそうな悪い予感がする。坂本さんも誘って舘野さんに拉致されるように「ナイトプラスワン」という名のスナックに連れて行かれる。”私たちはお腹が空いているんです”と前置きしたのにも拘わらず、乾き物しかつまみのない店だった。しかも中日劇場のスタッフ達がすでに大勢で飲んでいて、その中に放り込まれた。一瞬晒し者にされたような気分になったが、もう後の祭りである。こうなるとこちらの自己主張が勝つか、向こうの流れに任せるかである。で、結局向こうの流れに負けた。劇場制作部の森さんが川島瑛伍の追悼歌を3曲も唸り始めた。1曲目「時代遅れ」。歌い方がほとんど「野風増」になっていたが、サビだけは合っていた。2曲目の「野風増」は「時代遅れ」のメロディで歌い始めて、サビだけ帳尻合わせしている。なんとも変な歌い方で3曲目の「酒と泪と男と女」までなだれ込む。後はそんなテンションで深夜となり、解散。
だが私は後悔していない。坂本さんを中日劇場の方たちに紹介できたのだから、収穫ありである。たとえ舘野さんが坂本さんの出演舞台を覚え違いしていたとしていても、「コンビにまりあ」と「幼稚園ゲーム」の区別がつかなかったとしても、私は後悔していない。
後悔はしていないが気持ちが治まらなかったので、一人で「くらや」に寄る。今回の撮影中にこの店に顔を出すのもこれで終わりだろう。


4月18日
午前8時半CBC入り。私が演じる和楽巡査の交番の場面から撮影開始。この交番のセットとも今日で最後である。
坂本さん演じるジュテーム勇夫との心温まる交流やら、別れやらの切ないシーンが多かった。坂本さんもいつになく情感溢れる芝居をしていたので、私も内面の演技をきっちりやったつもりだったが、プレビューを見てみると、私の立ち姿はどうも大人の演技に見えないんだよねえ。時には大人の凛々しいポーズも必要なので、これは私の重要な課題である。
そんなところへ水沢さん登場。場面は一転して御陽気になる。水沢さんとのコンビの場面もこれで最後だが、最後まで馬鹿馬鹿しく終わる。これはこれで良いことだ。
午前中で撮影終了、帰京。
健康診断の結果を確かめに行く。ほぼ大丈夫だったのではあるが、お酒は控えめにとのこと。ご尤も。「体重が増えるのにも注意しましょうねえ、私が言っても説得力ないんですけど」と、デブのお医者さんが言っていたのが可笑しかった。
この日はその後に知るひとぞ知る花房徹さんの芝居を観劇。翌日は今人気の韓国の打楽器パフォーマンス「NANTA」を観た。


4月20日
「大名古屋日記」とは関係ないが、三浦半島の毘沙門湾でクロダイ(関西以西はチヌとも言う)を大釣りした。50センチオーバーを4枚、47〜8センチを2枚ゲット。磯釣りを始めて初めての経験で、記録も信じられないくらいの大更新だった。
釣行に同行してもらえた、あの高橋哲也くんに大感謝!!


4月21日
大釣りの興奮冷めやらぬまま新幹線に乗る。
今日は私の最後の出番。有馬家のダイニングキッチンですき焼きパーティーの場面。
物語りも終盤に近づき、出演者も幸せそうにフレンドリーな場面。みんな良い笑顔だ。水沢さんは相変わらず芝居だか地だか分からないトーンで終始笑ったり怒ったり、遠藤さんも自分のアドリブに自分で吹きだしている。中上くんは私が洩らすどうしようもないアドリブにカメラに写らない目線でダメ出し演技をしてくれている。大勢の会話がほとんどクロストークになっていたが、とってもいい感じの和やかな場面だった。
作家の方が初めてスタジオに遊びに来ていたのにアドリブが飛び交っていたので、台本の台詞はかなりメチャクチャだった。勿論そんなこと全然気にならない素敵な場面だったと思う。作家のよしだあつ子さんもニコニコしていた。
私と水沢さんの撮影は全て終了。2人にスタッフから花束を贈られる。こういう時はいつになっても良い気分だ。特に今回は嬉しい。”みなさんありがとう”と声にも出して、心でも言ってスタジオを出た。さあ、残すは打ち上げでパーッといくだけだ\(^。^)/


※5月1日現在、下北沢本多劇場で上演するお芝居「クレージーホスト・リターン」の稽古真っ最中のためこの日記の更新が遅れております。ご容赦を``r(^^;)ぽりぽり
後は打ち上げのことと、もうちょっと映像ネタをお送りしようかなと思っております。お待ちください。放送も後半戦に入ってきましたので、是非とも応援よろしくお願いします。視聴率さえ良ければパート2が実現しますので。お知り合いの方にも宣伝してね!


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